電力の自給自足 オフグリッド 

 地球温暖化の影響もあり、年間平均気温が上昇してきています。
また自然災害の急激に増え、全国各地で被害が発生しています。
2018年秋の台風21号では、浜松市も長期間の停電を体験しました。
その時、みんな同じ事を考えました・・・・・「食料品の確保」です。
停電により冷蔵庫が使えなくなったからです。
そして、常温で保存できる食品や乾電池が
スーパーやコンビニで売り切れ状態となりました。
普段普通に使っている「電気」のありがたみを感じたのではないでしょうか?

 最近「ZEH」=ゼッチ、つまり、ゼロ・エネルギー・ハウスが増えてきて
います。誠風庵でもZEHやZEH対応の住宅を提案していますが、
いくらZEHと言えども、夜間は、太陽光パネルは発電しませんので
停電してしまいます。そこで「蓄電池」の設置をしたくなってくるのです。
太陽光パネルと蓄電池によって、
電気を創り→蓄え→使うが上手くサイクルでき、
蓄電量>消費電力の状態であれば自立できる事になります。
しかしそこで問題です。
雨季の時期など長雨が続くような時、太陽光発電も充分に行うことが
出来ず、自給自足が難しい状況に陥る可能性もあります。
そのため蓄電量に余力が欲しくなってきます。
余力は3日分あれば良いでしょうか?それとも1週間分?。
万一に備えた余力を考えると、完全に自給自足で自立するのは、
蓄電池の高額な費用を考えると現時点では
現実的ではありません。そこで仲間と考えたのが、
ひと部屋オフグリッド・ハイブリッド・パワーシステム」です。
完全な自立を目指すオフグリッドに対して、
「ひと部屋」と言うワードがつきます。
つまりひと部屋から完全自立を目指すと言う考え方です。

非常時に全部の部屋の機能が満足に使えなくても、
ある一室、例えばリビングやキッチンの照明やコンセントが使え、
冷蔵庫が機能すれば、多少の不便があっても生活は可能です。
また電力会社と完全に切り離さない事で、蓄電量に左右されず
安心して暮らせます。
自立の電力と、電力会社から購入する電力の両方を切り替え
可能なのが、「ハイブリッド・パワーシステム」の由縁です。
また冷蔵庫と一部の照明や携帯充電用のシステムから、
ひと部屋、そして完全自立まで、規模や予算に合わせて設定できるため、
完全自立に掛けるコストとは違い実現しやすく、
小規模であればDIY間隔での実践も可能になってきます。



   ひと部屋オフグリッドを採用した 約50坪の住宅事例

 約50坪の住宅で、
断熱性能 Ua値0.28W/uK、気密性能C値0.25cu/uと
浜松としては超高性能な性能の住宅です。
BELSをNearlyZEH(ほぼZEH=ゼロエネルギーハウス)
として認定されています。

建物性能だけで47%のエネルギーを削減させ、
太陽光発電による削減を加え75%の削減となっています。
太陽光パネルは、2.36kw(295wパネルが8枚)
 50坪の住宅としてはかなり小さめの設定です。
蓄電池はリチウムフェライト系8kw装備しています。

この仕様で、キッチンIH、エアコンなど200V系の電気以外は
完全自立させています。
建物の性能が良いため、エアコンの消費電力も少なく、
IHの稼働時間は限定的のため、もう少し能力アップすれば
完全自立も可能なレベルです。
トイレの水も井戸水で、ポンプもオフグリッド電気なので安心です。
たった2.36kwの太陽光発電で50坪の家のほとんどが
まかなえてしまうなんて素晴らしいです。

    ←太陽光パネルは、
 2.36kw
 (295wパネルが8枚) 
  
  
 たったこれだけで家の75%以上の電気が賄えていて、
2018年1年間の電気代は5万円未満です。
この太陽光パネルの上部側には将来、
「太陽熱集熱パネル」を設置し給湯をまかなう予定です。

    ←充放電コントローラー、
  インバータ、蓄電池、
  を装備。ミニ電気室?
  箱です。

  鉛バッテリーの様な
  メンテナンスは不要で
  長寿命です。



 
    ←リビングの壁に設置した
  パネル。
  充電量や発電状態を見る
  ことが出来ます。